観光客を35倍にした熊野古道の完璧なコンテンツマーケティング
これは、素晴らしい・・・・
素晴らしいを超えて、凄まじいほどに素晴らしすぎる。
- 7年という歳月を長いと見るか短いと見るか?
- 35倍を大きいと見るかまだ不足と見るか?
- ターゲットを選定したところでその人たちに本当にニーズのある商品を必ずしも開発できうるか?
- この記事では書かれていないがまだ残された問題はないのだろうか?
- 今後は安定的に持続可能な仕組みなのか、それともまだ努力が必要なのか?
などなど、
この記事からだけでは、完全なる成功と断定することはできないものの・・・・
それでも、この記事に書かれている様々な施策は、
そのすべて、本質的には特に「火×地」の人たちにとって、大いに取り入れるべき考え方だと思います。
恋愛・結婚においても、ビジネスにおいても、自己実現を果たすために、きわめて重要になるポイントです。
少しだけ、補足的に解説
まず、「熊野古道」はそもそも、
多くの人に気に入られる、楽しくて水水してて、ミーハーが沢山訪れるような「分かりやすい観光スポット」ではありません。
「38kmある道のりを2~3日かけてがっつり歩かないと魅力が伝わらない」
という、ものっすごいコアなファン向けの、超絶「火」コンテンツです。
一般の方々には理解されにくい、
「お客さんを選ぶ」タイプのコンテンツを持つ人は、「火」人間には結構いっぱいいますよね。
ちなみに、こんだけの「火」コンテンツであるにも関わらず、
収益をアップするために、当初はまったくそれを無視した「水」側のアプローチをしていたようですね。
世界遺産として登録されてから、ミーハーな方々は沢山訪れていたようですが、
その人たちはファンやリピーターには全然なってくれなかったようですし、
むしろ、ちゃんとした装備の無い観光客によって、道自体が荒らされてしまうこともあったようです。
また、地元のお店なども、外国人観光客への対応には不慣れだし、
そもそも消極的な人も多かったとのこと。
つまり・・・・
水水した気持ちで「遊びに」来る観光客にしてみれば、
コンテンツからホスピタリティのカケラも感じられない、全然楽しくない場所であったでしょうし、
熊野古道側の「火」人間たちからしてみれば、
大して魅力を分かってくれもしないミーハーどもが大挙して押し寄せたおかげで、超ストレスだったでしょう。
Win-Winどころか、Lose-Loseだったわけです。
そこで、熊野古道側は、3つのアクションを取るようにしたとのこと。
この3つがまさに、「火×地」の、
「じっくり時間をかけて仕組みを構築する」
という性質を持ったものだったのです。
(1)ターゲットの選定
観光客なら誰でもいい、というのではなく、
「熊野の良さを理解しファンになってくれる人」
に絞ったことが、まず大きな一歩。
ただ、これには、本文に書いてあるように、反発もあったようです。
「個人客なんかお金にならない」という。
これはまぁ、確かに目の前のことを見れば、本当にその通りです。
ビジネスにおいて、個人ひとりひとりをターゲットにしても、
それは労力に対して実入りが少ないのは、みんな分かっていること。
けれどそれでも、
「本当に熊野のファン・リピーターになってくれる人を増やした方が、持続的な訪問客流入も現場の環境保全も叶えられると考えた」
というのだから、本当に素晴らしいことだと思います。
「市や県から猛反対を受けたが、何度も議論を重ね説得していった」
と、さらりと書いてあるけど・・・・
これが、ものっすごい大変な仕事だったんじゃないかなぁと推察されます。
ただでさえ「理解者が少ない」ことが前提の「火」コンテンツ。
それをお客さんに無理して理解してもらおうとするではなく、
「理解してくれる人をお客さんにする」
という、英断。
僕も同じ「火」人間として、拍手を送りたいです、本当に。
そして、そのターゲッティングにちゃんと沿うように、
熊野古道を実際に踏破した外国人(ブラッド・トウルさん)を事業推進の軸に据えたというのだから、もう本当に英断。
まずはこの、最初の時点での徹底した「軸作り」が、7年後の大きな成功に繋がったのだと思います。
「熊野古道の魅力をしっかり海外に発信できれば、絶対に観光客が増えると信じていた」
とありますが・・・・
見たことのない未来を信じられるというのは、本当に心が強くなければできないことです。
素晴らしいとしか言えません。
総じて、
「火」属性の人間が、自分のコンテンツの強さを信じ、
「火」を貫く覚悟を決めたこと
が、まず第一にあったわけです。
(2)環境の整備
現状を見たら、「外国人なんか来るわけがない」と誰もが思ってしまうような環境を、
根本から変えていったとのこと。
最初は反発も激しかったみたいですよね。
英語表記のメニューとか、無料で作ってあげるといっても断る店が多かったとのことですので、
もはや地元の人々の心が、理屈抜きで反発していたのだと思います。
仕組みを構築する時には、ここをどう動かすかが大きな課題になります。
別に、物品や仕組みそのものを作ること自体は別に難しいことじゃないと思うのです。
より大きな問題は、
それがちゃんと受け入れられる土壌を作ることや、それを回していけるように関係各所の理解を得ることの方です。
これをトウルさんは、
「数あるお店に何度も足を運び信頼関係を構築。『一緒にやろう!』という雰囲気を作り上げることで、徐々に広めていった」
とあります。
おそらくこうしたことを見る限り、トウルさんは「風×水」の性質があったのだと思います。
周りをポジティブに巻き込むチカラがあったからこそ、できたことでしょう。
多分ですが、
「火」人間がいくらロジカルに説き伏せようとしても、地元の人々の心は動かなかったことでしょう。
「一緒にやろう!」という雰囲気を作れることは、人を動かすためにものすご~~~く重要なわけです。
すなわち、「火」側の人は、
こういう「水」や「風」のエネルギーの助力があるかないかで、成功率が大きく変わってくるということです。
本気でやりたいと思ったら、こうして自分以外の誰かに託すということが、超重要なんですね。
これができなくて、いつまでも陽の目を見られない「火」人間も多い(というかそういう人の方が多い)ので・・・・
この、「日本の魅力を伝える担当者に外国人を選ぶ」ということも、地味に超英断だったんだろうなぁと思います。
そして、トウルさんの元で、「熊野トラベル」という旅行会社を新しく立ち上げたことは、
仕組み作りの最大の基盤になるもの。
既存の旅行会社の協力が得られれば良かったのでしょうが、
それができなかったというので、「自分たちで作るしか無かった」といったところでしょう。
赤字の状態も長かった、「とりあえず自分たちでやってみよう」と始めたことを後悔した、ともあるように・・・・
最初は全然上手くいかないのは、「火×地」側のプロセスに共通するものです。
それはもはや仕方ないことです。
ですが・・・・
まずはこの基盤を作らなければ、その後の様々な施策が、空を切ることになってしまいかねないわけで。
それを思えば、無理をしてでも最初に基盤を構築するというのは、避けて通れない道だったことでしょうね。
その後、トウルさんの元で実際におこなわれた「環境整備」は、ひとつひとつを見れば、「地味」なものだったかもしれません。
- アルファベット表記の統一
- 看板の差し替え
- バス時刻表の作成
- 広域マップの作成
- 外国人観光客受け入れワークショップの開催
などなど・・・・
ひとつひとつ単体で見たら、それをしたところで大きな目に見える変化には繋がらないかもしれないものの、
しかし、放っておいたらいつまでもコンテンツの理解には繋がらないポイント。
こういう、「直接的じゃない」「目に見えて効果的じゃない」ものは、わりと人は後回しにしてしまいがち。
けれども、どれもこれも、冷静にしっかり考えたら、必要なことだし大切なことだって、分かるはずです。
「必要だとは思うけど目先の利益には繋がらない、それでも大切なこと」というものに、どれだけの時間と労力をかけられるか・・・・
といったところで、向こう10年の変化の幅を大きく左右することになるんだと思います。
この(2)のアクションは、総じて・・・・
「火×地」の才能解放キーワードである、
「構築」(火地)と「調節」(地火)が、ふんだんに行使されたものだと思います。
旅行会社という基盤の「構築」をした後、
要所要所において、1から新しいものを作り出すというよりは、
今あるものをブラッシュアップする環境整備=「調節」をしていったわけです。
これまた、理論通り。
(3)コンテンツの制作
この記事で紹介されていた最後3つめのアクションが、
「観光客にとって価値の高いコンテンツの制作」でした。
上記の才能解放キーワードで言えば・・・・
「火地」が意識するポイントの順番としては、
①まずメインは「火地」の「構築」、
↓ ↓ ↓
②その次に第1・第2アイデンティティを入れ替えてサブが「地火」の「調節」となるわけですが、
↓ ↓ ↓
③最後、その補強に、「火風」の「創造」がきます。
それがまさにこの3つめのアクションです。
- わかりやすい英語Webサイト
- 書き下ろしガイドブック
- 無料音声ガイド
- 共通巡礼手帳
などなど・・・・
これまでに存在しなかった新しいコンテンツ(アイテム)をどんどん「創造」していったようです。
すると、しっかり仕組みが構築された上にこれらのコンテンツが乗っかり、
超強力な付加価値として、効果を発揮することになったのです。
このコンテンツは、土台がしっかりあったからこそ、成功したものじゃないかなぁと思います。
人間は、「素敵なところが10個ある」から買う、よりも「嫌なところが1個ある」から他のものにする、
という心理が働きやすいそうです。(ソースが何だったかは忘れてしまいましたが・・・・)
となると、どんなに素晴らしいコンテンツを開発したとしても、
前述の、「分かりにくいアルファベット表記」や「地元のお店の人たちの塩対応」みたいなのが変わらなければ、
「まぁ楽しかったけど、2度は来ないかな」
みたいになってしまう恐れがあります。
地味な部分をしっかり調節し、ストレスフリーにできていたからこそ、
素敵なコンテンツの魅力がストレートに伝わりやすくなったのです。
つまり、(2)の施策は、バケツに空いた穴を塞ぐ作業みたいなものですね。
バケツに水を溜めたいと思ったら、水を注ぐことにばかり意識が行きがちになってしまう人が多いですが・・・・
そのバケツに穴が空いてたら、いくら注いでも、注いだそばから漏れ出ていってしまうだけです。
水を溜めるには、まず、穴を塞ぐことが大前提。
「穴なんか塞いだって、(直接的には)水は溜まらないじゃないか」
と、それを軽視してしまう人が多いわけですが・・・・
でも、こういう喩えを出すと、穴を塞ぐことが大事だって、すごく分かりやすいですよね。
ちなみにこの「穴を塞ぐ作業」というのは・・・・
多くの場合、「良好な人間関係を構築すること」に帰結するものです。
どんなに良質なコンテンツを持っていても、
それを取り扱っている人自身が信頼されてない、嫌われているとなったら、見向きもされません。
「この人は信頼できる」と思ってもらえているからこそ、
コンテンツについても興味を持ってもらえるのです。
これをうっかり忘れて、
まやかしの最短距離を行きたがってしまう「火」人間の、多いこと多いこと・・・・!!
ちなみに、この「創造」における4つめの「共通巡礼手帳」においては・・・・
これまた、素晴らしい「火×地」らしさを内包しています。
以前、別の投稿で、
すでに大きなエネルギーを持つ人とコラボする「コバンザメ」という戦略が
「火×地」に大切なことのひとつだと書きました。
すでに年間40万人が訪れるというキリスト教の聖地サンティアゴとコラボさせてもらうことで、そこからの流入を得ようというのは・・・・
まさに!
まさに「火×地」らしい、素晴らしい手法だと思います。
なお、サンティアゴもそうですけど、
共通グッズのデザインに、「ジョジョの奇妙な冒険」の作者である荒木飛呂彦さんを起用したっていうのも、同じ切り口の発想ですね。
ジョジョラーみんながこれに食いつくわけではないにしろ、ジョジョラーには結構「火」人間が多いですからね・・・・
グッズ目当てで熊野古道に来て、歩く間にハマってしまう人が出る可能性は、ミーハーな「水」人間よりはよっぽど高いんじゃないかと思います。
そんな感じで・・・・
(1)で「火」として生きる覚悟を決め、
(2)で仕組みの構築と環境の整備という「火×地」を徹底し、
(3)で「火風」を使って飛躍させる
という、本当に「火×地」側の王道中の王道ルートを、この熊野古道の成功ストーリーは示してくれていると思います。
冒頭に書いたように、
熊野古道は、唯一無二の強力なコンテンツを持っていたにも関わらず、
この大きな成果を出すまでには7年もかかっています。
(1)~(3)は、どれもこれも、そもそもこの施策を取るためにエネルギーやコストを沢山使うものだったでしょう。
人によっては、「時間が掛かることは分かるが、それでも時間を掛けること自体ができない」という人もいるかもしれません。
そういう人にとっては、本当に苦しいことになるかもしれませんが・・・・
けれども、やはり
「火×地」側の人が結果を出していくには、時間はどうしても掛かってしまうものなのです。
これだけ的確に、これだけ王道を通って、これだけ良いエネルギーを取り入れているにも関わらず、です。
熊野古道ですら、こういった状況なのですから・・・・
一般の、コンテンツすら持っていない「火×地」だとしたら、
それで自己実現を果たすのは、かなり苦しい道のりであることを覚悟する必要があるかもしれません。
勿論、みんなそれぞれに目指すゴールが違っているわけなので、一概にくくることはできませんけれども・・・・
なので、人によっては、もっとスピーディに現実を変えることができる、かも、しれません。
しかし、油断は大敵です。
そもそも根本的に、「火」人間は、
そのコンテンツのこだわり、世界観の独特さから、他人の理解を得られにくい性質であることは間違いないのです。
そして、でも理解が得られないうちは幸せになることもできません。
さらには、表面的な、適当な理解では、満足することもありません。
そういう性質に生まれついてしまったのであれば、
もはや、時間をじっくりかけて、どれだけ長旅になろうとも、この王道ルートを通っていくしかないのではないでしょうか。
というわけで、今回は「熊野古道」の成功を通して、「火×地」の王道のサクセスストーリーを解説してみました。
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