「ストレングスファインダー」が日本人に合わない理由

「ストレングスファインダー」が日本人に合わない理由

先日、コミュニティの朝シェア会で話したことのお裾分けです。

ストレングスファインダーご存じですか?

ストレングスファインダー®は、
アメリカのギャラップ社が開発した、
人の「強みの元=才能」を見つけ出すツールで、
Webサイト上で177個の質問に答えていくものです。
ストレングス・ラボ「ストレングスファインダー®とは」
なお、先に書いておきますが、
ストレングスファインダー自体をディスる気は1ミリもないです!
むしろ好きです!!エレコ開発・研究においても
参考にさせていただいているところいっぱいありますし、
書籍も面白いですし!!
そして、「活かせる場面」が沢山あるのも分かりますから、
一概に「合わない」と言い切るのもどうかと思うんですが・・・・
ただ、何年も前からずっと違和感はあって、
それがようやく言語化できたので、それを書いておこうと思いました。

というのは、

ストレングスファインダーの考え方によって
逆にしんどい想いをしている人もいる

のもまた、事実のようだからです。

僕は全然そんなことないんですが(その理由も後で説明しますが)、
ストレングスファインダーおよび
その開発者のトム・ラスさんの考え方の中には、
確かに一部の人をそうさせる思想が入っているんです。
なので、

「ストレングスファインダーは
こういう思想のもとに作られたツールだから、
こういう性質の人にはあんまりオススメしないでほしい」
「ストレングスファインダーの考え方にそぐわないことは悪いことじゃない、
あれは(少なくとも日本においては)『万人』に当てはまる前提で作られていない」
ということを、そのことがピンとくる人に伝えられたら、と思います。
これは、僕が同じように
「性格分析ツールの開発者」としての視点を持てたから見つけられた、
すごく分かりにくいけれどもおそらく確かなポイントです。
自分の「強み」を見つけ出す診断ツール、「ストレングスファインダー」。
診断を受けてみたことがある人も沢山いるでしょう。
受けたことがない人はぜひググってみてください。
どんなツールなのかっていうのは、
ここでは詳しい説明を割愛させていただきます。
開発者のトム・ラスさんはそのエッセンスを
『さあ、才能(じぶん)に目覚めよう 新版 ストレングス・ファインダー2.0』
という書籍にまとめられています。
また、それとは別の見方で同じように「適職」を見つける切り口として、
『「向いてる仕事」を見つけよう「人の役に立つ12の資質」から自分の強みがわかる』
という本が、去年日本でも出版されています。
で、この2冊目の方をちょうど今読んでいて・・・・
そこでようやく気付けた話なんですが。
ㅤㅤㅤ
この方の考えとして、僕が一番違和感を持ったのは、ㅤ
「人の役に立たない才能には価値がない」ㅤ

と言い切られている箇所が複数あったこと。

まぁ「仕事」について書かれている本ですから、

「自分が何をやりたいかよりも
人の役に立つかどうかをちゃんと考えた方がいいよね」

みたいなことは、分かるんです。

でも、そういうニュアンスではなく、

「才能とは人の役に立つもの」
という感じの言い切りが多く・・・・

「役に立てない人には価値がない」みたいなこと?とモヤりました。

さらには、この本では仕事で人の役に立つための
「12の資質」を体系化して解説されています。
それらは例えば、
「始める力」「育てる力」「つなげる力」みたいな感じで表現されていて、
それぞれ、「この資質が強い人はこういう性質を持っているから、
こういう仕事の仕方が合います」みたいなことが書かれているのです。
そこまでは、いい。その構成は、いいんです。

エレコ的視点で見る「ストレングスファインダーの特徴」

で、当然エレコを作った僕としては、
「この資質はエレコで言ったらどの属性に当たるんだろ?」
っていうのを考えながら読むわけですが・・・・
それをしていったら、ふっと気づいたんですよ。
「どの属性においても、レベルが高い人の特徴しか書いてない・・・!」
みたいなことに。
例えば、「意見する力」っていうのがあって、
そのポジティブな側面についての解説を読んでいたら、
これはエレコで言えば「」に該当するなーと思ったわけです。
で、ご存じの通り、僕はよく、
はクズ」みたいな話を冗談交じりに話します。
これは別に「」だけが悪いわけじゃないですが、
その性質特有のダークサイドの表れ方がありますよね~っていう話で。
となれば、「意見する力」を持つ人のネガティブな側面には、
僕が言う「」のクズっぷりが沢山書かれていると思ったんですけど・・・・
これが、そうじゃなかったんですよ。
そこに書かれていたネガティブな側面・マイナス要素は、
まぁ確かに性質的には「」ではあるんですけれども、
「いやいやそれはかなりレベルが高い『』限定ですよ!?
普通の『』はそんなもんじゃない、
もっとクソみたいな行動取りますよ!?」
って思いっきりツッコミたくなってしまいまして。
そこでハッとして、他のところも読んでみて、思ったんです。

「あ、この本、そもそも『レベルが高い人』についてしか書かれていない」

ということに。
普通に自分のことを理解できていて、
自分がやりたいことも分かっていて、バイタリティも十分にあって、
だがしかし環境に恵まれていなくて上手くそれを発揮しきれない人・・・・
であれば、確かにこの本に書かれているような切り口で、
「より良い働き方」を見つけることができるでしょう。
しかしながら、じゃあ例えば
鬱病であったり発達障害などであったり、
基本的な基準を満たすところから苦戦している人は・・・・
え、どうしたらいいの?と。

そういうことについては、まったくノータッチでした。

でも、著者の方は「数千人を分析してみて」って書かれていたので、
だとしたらおかしいなと思い、よくよく考えてみて分かりました。
「あ、この人、アメリカ人じゃん」
って。
僕、アメリカの大学に2年間通ってたのもありまして、
ピンとくるところはあるんです。
(新宿に校舎のある日本校で、生徒は日本人だけど
先生は全員外国人で授業は全部英語でスタイルもアメリカ式)
ですし、そんなに多くないですが
エレコで欧米の方々を分析させていただく機会もありましたから。
アメリカと日本だと、文化の前提が全然違うんですよ。
日本で言うところの「」人間が、
アメリカにはほとんどいません。
」の性質を持つ人はいるにはいるんですが、
しかし日本人のソレとは、全然違うんです。
「空気を読む」とか「事なかれ主義」とかみたいなのって、
(アメリカ人の先生が言ってましたが)
欧米じゃまったく意味不明な文化なんだそうです。
前にも書いたことありますが、

日本は、「×」の文化です。
一方で欧米、特にアメリカは真逆で「×」の文化です。
欧米の人たちは・・・・
開拓してナンボ!!!
自己主張してナンボ!!!
やりたいことやってナンボ!!!
前に出てナンボ!!!
なんです。いやマジで。
」要素の強い人でも、日本人に比べるとかなり前に出ます。
そこに抵抗感を持ってる人は、全然少ないんです。
学校の授業で、「公衆演説(スピーチ)」が当たり前にあるくらいですし。
論文も当たり前に書かされますし。
日本で「空気を読めない」人が
KYと揶揄されて村八分に合うように、
アメリカでは「自己主張できない」人はその時点で死にます。
それくらい、そこのところが真逆なんです。
そういう文化の中に育った著者さんですから・・・・
そして、「数千人を分析した」って言っても、
それどうやら全部アメリカ企業のようですから・・・・
あぁ、そりゃそうだよねと。
日本の企業風土と、アメリカのソレとでは、
全然違って当たり前なんです。
言ってしまえば、アメリカでは
「そもそも自己主張ができない人間なんかいない」
という前提で話が進んでいるんですが、日本はその真逆で、
自己主張を苦手とする人の方がよっぽど多いですし、
それよりも調和を保つことの方を大切にするわけですから。
その前提の違いがあるから・・・・
だから、ストレングスファインダーといい、
この2冊目の本(ちなみに「コントリビファイ」というツールです)に、
違和感がありまくりだったんだなぁと。
僕自身は、どっちかっていうと個人的には欧米寄りなんです。
自己主張の激しい「」ですし、わりと能力値も高い方ですし・・・・
自慢じゃなくて事実としてね。
結構努力してますから。
大学時代は「成績優秀トップ5」に選ばれてましたし。
だから、「ストレングスファインダー」が結構自分に馴染むんです。
「強みを活かしていこう」っていう発想になりやすいんです。

エレコとストレングスファインダーの違い

けれども、逆に僕は幼少期から、
そういう自分は日本社会においては少数派で、
周りとうまくやれないことがコンプレックスでもありました。

だから、っていうのもあって

「自分と他者の違いを理解するため」にエレコを作ったんです。


ここが、大きな違いでした。
ㅤㅤ
「ストレングスファインダー」とは、
心が健康で自分の強みを活かして
より大きな成果を出していこうという、
いうなれば」発想の元に作られた、
きわめて欧米スタイルのツールです。

一方でエレコは、
ツール自体の目的は「違いの理解」でしかありません。
コミュニケーションに活かすとか才能発揮に活かすとかっていうのは、
あくまで「使い方」のフェーズでの話であり、
ツールそのものは「理解」に重きを置いた」発想で作られてるんです。

なので僕は、

「例外はあったとしても基本的にはすべてのケースを網羅する」

ということを意識してエレコを設計しており、
心が強い人も弱い人も、自己主張できる人も苦手な人も、
まるっと捉えられるよう心掛けているんですが・・・・

多分、「ストレングスファインダー」は違うんです。
最低基準をクリアした、
ちょっと言葉悪く言えば
「強い人向けのツール」なんじゃないかなーと。
これが、日本人には
「ストレングスファインダー」が合わないって
僕が思う理由であり、一部の人がこのツールによって
モヤモヤしてしまう原因なんじゃないかと思います。
ただ一方で、こういう性質であるがゆえに、
「ストレングスファインダー」だからこそ
効力を発揮する場面っていうのも、
いくらでも存在すると思います。
というか、「」フィールドにおいての
ビジネス活用みたいなことをするなら、
エレコはあと数十年は勝てない気がします。
エレコじゃ多分どうやっても遠回りですから、
ストレングスファインダーをお使いいただいた方が絶対いいです。
みたいな感じに、使う場面を見極めていただければと思います。

少なくとも・・・・
問題を解決するための「課題」ではなく、
心が弱ってる時の「悩み」のために受けるものでは、
ないんじゃないかな。
個人的な感想ですが、心のモヤモヤは、
ストレングスファインダーやっても
晴れないんじゃないかと思います。
ので、そういう時に選ばないようにしていただきたいなぁと。
そんな感じです。

最後に、繰り返しになりますが、
僕は「ストレングスファインダー」は
素晴らしいツールだと思っています。
けれども、
「万人を網羅する基本的な性格診断ツール」
ではないなとも思います。
すでに基礎戦闘力を身に着けた人が、
さらなる飛躍を求めて活用するためのツールです。
・・・・多分、このツールに馴染んでいる人は
そもそもそんなの分かり切った感じではあると思うんですが・・・・
でもたまに、心が弱ってる「」人間に対しても
ストレングスファインダーを薦められている時もあって、
それは僕はやめた方がいいんじゃないかなーと、
日米の文化を比較した上で、思います。
このツールも制作者の方も
偉大な先輩として心より尊敬します。

ただ使い方を気を付けないと日本人の肌には合いません。

本当にアメリカは文化が全然違いますから。

アメリカからの帰国子女が
日本の学校に入ると苦労するって話聞くじゃないですか。
逆もまた然りなんですけど。
ディスるわけでもなんでもなくて

本当にアメリカの人は空気を読むという概念が無いんです。

空気を読むという英語もない

この概念を翻訳するのに大学時代に苦労しました。

「read atmosphere」って言って 、
「ハァン?」って言われたのは良い思い出w
自分が持っている意見を言わない、言うのが怖い、
なんて感覚が文化的に存在しない国です。
ツールでもノウハウでも何でも
それが作られたバックグラウンドって結構重要。
表面的に見たら似たようなものでも
文化の違いで大きなズレが出るんですよね。


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